Kenji Wakayama

永遠の荒野をめざす。

1day delay. 日遅れの日記

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2025.08.23

 思い出すということはあまりしない。しかし
ここの土地を買ってからもうすぐ丸四年になるのだ。
一度振り返っていた方がいいだろう、記憶がまだしっかりしているうちに。googleカレンダーを見返すと思い出せない事柄が多くなってきている。絶対記憶力が落ちてきているのは仕方のないこと
だけど何もかもを忘れてしまうわけにはいかない。

 四年前の2,021年11月21日に土地購入の契約書を
交わしている。
住み始めたのは今年の1月末、
建物の工事を始めたのは昨年の年初め、なんでこんなに
時間かかったのだろうか。
よくわからないがその間
ずっとイライラしていた。この4年間一体何をやっていたのか。
とにかく設計がすすまなかった、どうしていいのか
まるでわからないまま毎日イライラしていた。
設計者も代わってもらったことが大きいいが、
その後もなかなかうまくいかなかった。たぶんボクの
せいだろうけど。
 建物が出来上がる様子を見ながら日々過ごそうという腹づもり、
現場のそばに仮住まいの家を借りたまでは良かったが、
目論見は見事外れた。ただ何もすることなく
一年以上無為に
すごすはめになった。この足守の仮住まいが辛かった、
一年少しだったが大いなる無駄だった。
無駄な金、家賃もそうだが人間関係もどうでも良い付き合いを
して今後のためになる、勉強になることは何もなく、
苦い反省ばかり残った。
あれってなんなんだろうか、土地を買って家ができるまでを
イージーに計画していたことを大いに反省する。

 切羽詰まって姉に無理を言った。真備の家に住まわせて
もらえてなかったらどうなっていたか。

 

2025年8月23日 今日は78歳の誕生日である。
一人で過ごす。ここ足守で思い出の1日を過ごそう。
今日は多分静かだろう。昨日はここに多くの人が来てくれた。
知らない人、関係者、高校の同級生、バラエティに富んでいた。
なぜかわからず突然に降って湧いたように人が集まってきた。
今日の誕生日の前触れのように、これから1年間はいろんな人と
出会えるということかならそれは嬉しいこと。
78歳である、間も無く80歳になる。間違いない、意味あることか
どうかわからないが。
ただこれからの人生は自分に恥ずかしくない生き方をしたいと思う。
その時が一番新しく、一番かっこいい、そう自分で思えるように。
昨日訪れてきた女性がボクを見つめながら、品がありますね、と
言ってくれた。ボクは生返事でとぼけてみせたが、
内心すごく嬉しかった。初対面の人にそんなこと言われたことないから。
その言葉を一生忘れないだろう。嬉しい、これからも
そんなふうに言われるような、思われるような生き方をしたいし、
そんなふうな風情を身につけたい。
毎日、毎分、毎秒、自分を高めるよう思いを巡らし、考え、
あえてやろうとしなくても自然に振る舞えるように
生きたい。そいう空気を纏いたい。
できるだろうか?

 

2025.08.06

これが一つの理想と考えていた日常かと思うと
ちょっとあっけない気もする。
音楽を聴きながら絵を飾った部屋で
遅い朝食を摂る、なかなかのシチュエーションだけど
いざその通りになってみるとそこまでの感慨はない。
ここ足守の家に住み始めてもう半年以上になる。
まだディテールは完成していないし、手を加えたいところもあるので
完成したとは言えないがともかくそれほど不自由なく暮らしている。


みんなが心配してくれていた田舎生活のご近所付き合いも
スムーズにいっている、と思う。
昨日も工事をお願いした建築会社社長のお母さんが
近所のお仲間を連れてきてくださり大いに盛り上がった。
みなさんボクと同年代です、とても元気ですよ。
おしゃべりが大好きで長い時間、自分のこと、家族のこと、
町のことなどあれやこれやと話した。

それぞれ地元の建築会社、自動車ディーラー、歯科医の奥さんで
意識が高くどうすれば足守の町を活気付けられるかが話題になった。
突然の闖入者であるボクに何か期待されているようで
面映かったけど、そういうことに協力するのが一番の余所者としての
役割なんだろうなと思っている。
長年暮らした東京から移住してきたのはそれなりの理由はあるし、
地元の人が気づかないこの地の良さがある。
都会の人間から見ると山あり川あり田んぼありの上に
この季節一日中生き物たちの合唱でまるで公園の中で
生活しているようなものだから。

8月6日
1日で書き上げるのは難事だ。こうして何日も経って書くのは
なかなか大変だけど書き続けるしかないだろうな。
ここの生活は食事が毎回悩まされるけど他は慣れたね。
一人暮らしは慣れっこ、60年以上やってると言いたいところだし、
大学時代はかなりさびしかったけど。生まれて初めて岡山から出て、
西宮の大学町で誰も知り合いがいなかったから。
学生時代が一番寂しかったね。
  こうして読み返してみると文章ははちゃめちゃだね。丁寧に書いてる時も
乱雑な時もあって一貫してない。まあ素人のよくあることか、まだ作家でも
なんでもないし書き慣れてくるとその辺が板についてくるのかもしれないけど。
 田舎暮らしの心配してたことだけど近所付き合いは苦にもならず
楽しんでいるくらい、むしろ孤独だった学生時代、サラリーマン時代の方が
寂しさを感じて嫌だった。関学生の時が一番嫌だった。
それを思えば今は楽しんでいるといってもいいくらい、大人になったんだろうね。

 昨日はなんとなくギャラリーをオープンした、感じね。
お客はまだ一人米山さんだけだけど、まあ会期も長いし誰か来てくれるだろう。
南田昌康先生の花の絵に囲まれて過ごすのは最高です。
1作でも売れれば弾みがつくけど期待はしないでおこう。いつか
売れるさ。今は商売を考える必要はないが、ギャラリーを続けられるように
するにはやはり売っていく方法を考えていかねばならないなあ。
いろいろ新しく出会った仲間と打ち合わせして前に進みたいのだけど
まだまだペースがわからない。ボクがせっかちなのか、岡山という土地の
仕事のペースがこうなのか、理解しようとしてもうーんまだまだだなあ。
いらついても仕方ない。今までやってきたマスのクリエーティブの進め方とも違うだろう。
同じ用語の使い方一つでも違うしね。webの仕事は頭ではわかるけど、進め方が
全然違う。でも後でわかるんだが、そうか同じ結果を目指していたんだなと
気付かされることも多い。思考の過程が違う、それはマスとウェブの
違いなのか、中央と地方の状況の違いなのか、多分その両方だと思うし、
ボクのせっかちのところも大いにある。結果をすぐ見たがる性分だから。
こうして書いたからには焦らず待つことにしよう、いつか出来上がるんだし、
ギヤラリーの展開も初めてのことだし、イラつくのは良くない。
広告でないのだ、一過性ではないのだ、ギャラリーはずっと続く
大いなる道だから遠回りしよう、あえてといっていいくらいに遠回りしようじゃないか!
と思ったのです。今日もクソ暑い夏です。

2025.05.05

 やっとなのか、いやまだ、まだなんだけど、もうどうでもいいくらい待ちくたびれて、
痺れを切らせてもう我慢できなくなって住み始めた。
 ここまで来るまでいろいろありすぎた。それはボクのわがままのせいだと
ひとはいうがそうでもないよ。まあ、それでもとにかく先月からこの町で暮らしている。
 足守はボクの親父が生まれた町でもある。偶然だ。その足守の町に77歳の今、
戻ってきたというか移り住んできた。
 土地柄は大いに気に入っている。昼間はたまに車が通り過ぎるくらいで、
人もほとんど歩いていない田舎町、静かそのもの。古い武家屋敷の町並みが残っているが、
それは残されているというものではなくただ残っているという感じで
もちろん保存されているというふうではまるでない。
住んでいる人たち意識してそれを大事にしようとか、この町の自慢にするとかという気持ちもなさそうだ。
 休日など観光客風の人も見かけなくもないがいたって静かなもので
人も町も空気も淡々としている。
 それが住み始めて1ヶ月の新住民ボクの感想。

 その町筋の角の土地にボクの新しい家が建った。
 2階建ての2階が棲家になっている。1階はまた改めて書こう。
 その2階の窓から見える景色が大いに気に入っている。残念ながら窓はサッシにせざるを得なかったが
それでも最大限大きなものにしてもらった。その大きな窓から見える山々は壮観、お気に入りだ。
 一日中ずっと山を見て過ごしていたいという希望が叶った。まさにこの季節、
青々とした緑が目も気持ちも洗ってくれる。よかった。
 2階の3分の1が風呂と洗面、3分の1がベッド&クロゼット、残りの3分の1が畳スペース。
 畳スペースは寝転がったり小さな机で書き物したりできる。AVも置いている。
 全部丸見えの仕切りのないワンルームで、とにかく一日自分一人だけ裸でも過ごせるような
空間を作ってもらった。飲食以外は全てここで済ませられることになった。

 壁はオール白の漆喰。角が一切ないデザインになっている。寝そべって天井を見上げると
摩訶不思議な空間が現れる。デザイナーはお母さんの体内をイメージしてください、といったが、
母の体内にいた時の記憶はないがそういう気分かもしれない。自然光のよく回る空間は優しい、
一日中過ごしても疲れない。
 2階は最初は半分くらいを漆喰で仕上げる予定だったが、漆喰名人の設計デザイナーが
職人魂を発揮して全部白く塗ってしまったのだ。徹夜して泊まり込んで。
 漆喰の壁のすばらしさは知っていたが予算的にとても全部は無理だと思っていたから、
彼の執念には感謝したい。クリエーターはついつい見境なくやってしまうもの。

 土地を見つけてここに住むことにして計画し始めて4年経って、
この月末あたりには建物全部を見ていただこうと思っている。
 出会ったばかりの設計デザインに冗談半分でここに、
俺の棺桶をつくってくれ!といったのがことの始まりだったけど、
考えてみればあと何年も住めるもんではないし、2階建ての家では足腰弱ったら住めない。
 そんなことわかっているけどやってしまった。
 ここで暮らしていられる間はここで多くの人と出会いたい。
 自分は人付き合いが決して上手い方ではなかったし、構えてしまって
柔らかく接することができなかったけど、ここでならできそうな気がする。
 ここで何をするかずっと考えているし、日々新しい考えが浮かんではまた別の考えが
浮かんでくる。日々アップデートしていることが楽しい。
 ここのところ少し気持ちも整理されてきたので
サボり続けのブログを日記がわりに書いていこうと思う。
 足守に来て自分ながら少し優しくなってきたように感じている。
 kenji3.0 
 

2023.08.02

やはり東京は楽しかった。
しかも、今回は途中青森に行ったので
行き帰り2度の東京でおおいに得した感じ。
青森へは広告業界の古い仲間と3人で出かけた。
目的は大間のマグロ釣り。ボクは今一つ乗り気ではなかった。
別に釣りの趣味もないし、揺れに弱くて絶対船酔いすると思っていたし。
しかし、船主でナビゲーターはボクの友人の神山さんだから、
同行しないわけにはいかなかった。
直前まで自分だけ港で待っていようかとも思っていたほどで、
でもまあ念の為に三日間酒を抜き、朝飯後には酔い止めを飲み
万全を期してもいた。神ちゃんに港を出たら7時間は帰ってこないよ、
一人で待ってられないだろう、とか言われて
意を決して船に乗ったのだが。

大間といえば、津軽海峡あれが竜飛岬〜
神ちゃんの船は名前は知らないが大したものでした。
港を出たらいきなりぶっ飛ばして&揺れに揺れた。
波もでっかい、何かに捕まっていないと吹っ飛ばされそう。
こんな揺れじゃ絶対酔うな、と思いつつ沖へ沖へと、
もう反吐が出そうになろうが引き返せないなと覚悟して。
ところが意外となんともなくて、風に吹かれて気持ちいいい。
これはひょっとしていけるかもと、
30代の頃スキューバダイビングにしょっちゅう
パラオだ、フィリッピンだと海外遠征していたことを思い出し、
あのとき船酔いしたことはなかったなあ、と気づいたりして。
もちろん南洋の海は波もそんなにないし、
ほとんど海の中を徘徊してて船酔いしている暇もなかったんだ。
と思うと、船酔いの心配などどっかいっちゃって、ずーっと
日が沈む頃まで7時間は船上だった。

残念ながら大間のマグロは釣れなかった。
ビギナーズラックを期待してはいたがそうは問屋は下ろさなかった。
だよね、2度ほど波の上を飛ぶ姿を見ることができたからそれで良し、
現金なもので次回に期待しよう!とか言ってね。

今回の青森は短くて2泊3日だった。
でも奥入瀬を歩き、酸ヶ湯に入り、
傑作なのは五所川原のねぶた会館と吉幾三コレクションミュージアムだった。
吉幾三の歌いいもんね、三人とも好きでね、カラオケはしなかったけど。
その近所の魚料理の店も良かった。青森に日本中から釣りキチがきて、
ここで必ずと言っていいほど食事して帰るらしい。
確かにどの魚もうまい、そして驚くほど安い。大将はビートルズのコピーバンド出身で、
店内のBGMはビートルズ。不思議な感じでした。

そして、帰りの東京はアート三昧した。
六本木の現代美術館でテート美術館展。ロンドンのテートは3回ほどいってるが、
ここではテーマに沿っての展示だからすごく見やすかった。
上野でもう一度マチス展、行くたびに新しい発見あるな、というより
毎回見落としてるところが多いということか。我が見る力の弱さを感じる。
竹橋の国立西洋美術館でガウデイとサグラダファミリア展。
バルセロナにまだ行けてない。おそらく最後になるヨーロッパは、
パリのドビュッシー記念館とバルセロナに行こうと決めているから、
その予習も兼ねてだね。今、航空運賃がやたら高いし、
とくにヨーロッパはホテル代もめちゃ高だから
お金残しておかないと、とほんとに思う。
表参道のルイ・ヴイトン7階のアートスペースにも行った。
ここは作品を見るというより四方に見える東京の景色がいいよ。
港区からずっと遠くまで見渡せてけっこうな穴場だ。
パリのルイヴィトン美術館は展示作品もすごいが、建物が素晴らしかったな。
今の世界一のお金持ちが作っただけのことはある。

東京は暑かった、今年はことのほか暑かった。
全然仕事しないで、出かけるのは、アート鑑賞と夜の食事くらいだった。
鰻、小籠包、鮨いいよね、蕎麦はなぜか行かなかった。
岡山には久々新幹線、それもひかりの自由席にした。のんびり、
しずかにと思ってたら、とんでもない外人さんに家族連れで
満席状態だった。また来月行く。帰る?かな。
そして、岡山も暑かった。

2023.07.03

 準備期間としてはうんざりするほど長過ぎる。
じっくり取り組めるといえなくもないが、せっかちな自分としては
よく我慢しているよね。
おかげで苦手だった将来の設計というか、
そんな長くもないこれからのことを思い描く余裕ができたかも。
 まだあと一年はかかるかもしれない、覚悟しておいた方がいいかな。
それだけ楽しめる時間が削られることになるが、まあ、
準備をしっかりやれということかもしれない。

 アートのことなど何も知らない、まったくの門外漢のボクが
ギャラリーのようなものを始めようとしている。
そしていろんな人を巻き込んでいる。ほんとに、どうするケンジ!
 それこそ夢にも思い描いてなかった単なる思いつき。
その思いつきがいろんな人との繋がりをつくり、ここまできてしまった。
流れ、その流れに乗っているだけかもしれん。
それでいいのかどうか。うまくいかなきゃまた別の何か見つけて、
その何かに乗るだけだろう。
 これまでもそんな感じで来た。
コピーライターという職業を選んだのもそういうことだったのかもしれないし、
だから大したこともできなかったんだけど、今ここにいる。
もっと大きな存在になれたような気もするが、
遊びも含めて脇道寄り道の連続だったから、まあこんなところだろう。

 紆余曲折、まだありそうだ。
地鎮祭をするにはしたが建物は設計途上で、いつ工事にとりかかれるか分からず仕舞い。
毎朝、その場所に行き、祭の後の寂しい風景を見せられていた。
今日もだったけど、ま、どうやら法的な手続きなどは残されているが、
夏の終わる頃には工事に取りかかれそうな感じになってきた。
葦の森神社の急な石段を息切らせながら登って、生きている間に住まわせてくれよー、と
念じていた思いがやっと叶ったか。
 
 そもそもギャラリーなんて大それたことを考えることになったのは、
一人の大美術家に友人のアートサロンで出会えた幸運から始まる。
おまけにその美術家の作品を楽しむ専用のギャラリーをつくるという
とんでもないことになって。それもいろいろ交渉も何もあったわけでなく、
友人が思いつきのように、作品を買うとか買わないとか言わずに、
いつでも彼の作品を見られるサロンにしちゃえばいいじゃないか、とかなんとか、
で美術家が、あーいいよ、と答えてその場で決まった。
端折った話になってしまったが、ほんとに一瞬の出来事。
おかげでボクは彼の作品に囲まれる人生を楽しめることになった。
こんな幸運ってあるんだなあ、生きてて良かったよ。

(もう少しだけ)
 とにかく待つ日日だ。日々じゃなくて、日日だ。
ここ足守に住み始めて一年が過ぎた。

 まだ東京に会社はある、未練もある。だから月に一度は東京に行ってる。
帰るから行く、になったのはいつからだろう。
行ったらけっこう長い。東京の毎日は楽しい。以前より全然楽しめる。情報量が全然違うもの。
 初めの頃は何か違和感あった。岡山という地方都市、その足守という町の仮住まい。
岡山空港から羽田に降りるとやっぱりここがいいやと思ったりした。
体の移動に心の移動がついていけなかった感じだったが、
最近はすーっとどちらにも馴染めようになってきた。
これを後一年は続けることになる。

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